Riko Saito
ライターリレーインタビュー Vol.4
不定期にアメリカンクラフトビールについてライターの方がお話する、「ライターリレーインタビュー」。 その4回目をお届けします。欧米に12年在住中に世界中を食べ歩き、生産者からシェフまで、国内外を問わず幅広く取材・雑誌を中心に執筆されるフードジャーナリストの斎藤 理子さんに、アメリカンクラフトビールについてお聞きしました。
カリフォルニア州パソロブレスのブリュワリー ファイアストーン ウォーカーのIPA「ユニオンジャック」のラベルがクールでかっこよくて気に入っています。
アメリカ人のファイアストーン氏とイギリス人のウォーカー氏が創業したブリュワリーで、イギリス発祥であるIPAと、ウォーカー氏の母国に敬意を評して「ユニオンジャック」をデザインしているそうです。
惜しみなくホップを使いつつ全体のバランスが取れた味わいは、私好みの王道のウエストコーストIPA。
ワイナリーの取材に行って大好きになったパソロブレスのブリュワリーというのも、私の中ではポイントが高いです。
ホップを大量に使った苦味の強いIPA(インディアン・ペールエール)が大好きです。アメリカンクラフトビールは柑橘系の香りがあるアメリカンホップを使っているので、さまざまな芳香も楽しめます。
ガツンと鼻に抜ける苦味や香りには、やはり肉料理が合いますね。赤身肉のステーキやラムのロースト、テックスメックスの人気メニューであるファヒータなどは相性抜群だと思います。スパイシーなものに合わせるのもいいですね。
ラガーのように喉越しで飲むのではなく、しっかりと味わいながら飲むビールなので、ワインのようにペアリングしながら楽しむのがおすすめです。
IPAが好きなのでよく飲みますが、作り手によって味わいも香りも本当に千差万別。どれも個性的で奥深い世界です。
その味わいと香りをより実感するために、飲むときには薄くて先がちょっと狭まったグラスを専用に使っています。その方が、香りがより楽しめるような気がするので。
冷たくしすぎると香りが飛んでしまうので、キンキンに冷やしすぎないようにも気をつけています。
個性豊かなことだと思います。飲み比べてみると同じ味がひとつもないことに驚きますが、醸造家さんたちがみなさん最高なビールを作ることに情熱を傾けていることが伝わります。
アメリカには大規模なブリュワリーから小さな規模のマイクロブリュワリーまで、数え切れないほどの醸造所があります。ワイナリーのようにレストランを併設しているブリュワリーもあり、地元の人にとっては日常的な場所です。
クラフトビール文化が根付いているアメリカならではの、ブリュワリー巡りをしてみたいですね。
斎藤 理子さんによるアメリカンクラフトビールの記事は、雑誌『Hanako』の公式サイト「Hanako.tokyo」で公開中。